また、会場では、ブリュッセルの「アーセナル」と呼ばれるデルヴォー本社の敷地内にあるデルヴォーミュージアムの一片をご覧いただけると共に、円形劇場のような空間に展示されたコレクションからは、1世紀続く大胆な革新や創造性をドラマチックに垣間見ることができ、ラグジュアリー界における開拓者としてのデルヴォーの立ち位置を確固たるものとしています。
このコレクションは、アール・ヌーヴォーのセンシュアルなラインや有機的な様式、特にアール・ヌーヴォーの芸術運動を始めた1人であるベルギー出身の建築家、ヴィクトール・オルタの作品からインスピレーションを受けており、動きのある彼のデザインはブリュッセル中で見ることができます。
アール・ヌーヴォーは、19世紀に広がった工業化への反発であり、自然の驚異や職人技に捧げられました。デルヴォーはこの精神をレザー作品に注ぎ込み、遊び心あふれるデザインや、咲き誇る花々、優美な刺繍を生み出し、自然がもたらす深いエレガンスと共鳴する傑作を作り出しました。
それから間もなく、シュルレアリスム運動が起こり、1924年、アンドレ・ブルトンによる夢のような『シュルレアリスム宣言』が発表されました。シュルレアリスムの100周年と、ポンピドゥー・センターで開催中の「シュルレアリスム」展へのデルヴォーによる支援を祝して、このコレクションではメゾンとベルギー出身のシュルレアリスト、ルネ・マグリットとの長きにわたる関係性にオマージュを捧げます。
今シーズン、デルヴォーのアトリエは、複雑な刺繍やマグリットを象徴する作品がプリントされたアイテムによって、シュルレアリスムの表現を広げます。さらに、マグリットの傑作に対する解釈を超え、Vagabond(ヴァガボンド)やBrillant(ブリヨン)などに思いがけない独創性を加える独自の言語も生み出します。
デルヴォーは、E Inkとパートナーシップを組み、コード化された「ペーパー」をデルヴォーの職人技で紡ぎ、革新的な「タペストリー」を作るという心躍る未来へと飛び込みます。
2年間の緊密なコラボレーションやリサーチの結果、ラグジュアリーメゾンとして初めてテクノロジーを完全に取り込み、レザーというタイムレスで自然から生まれた素材と、未来の独創的な素材によるダイナミックで革命的な融合を可能にしました。Caprice(カプリス)とPin(パン)を独自の技術で生まれ変わらせる、画期的なイノベーションにより、ボタン一つでそれぞれの特別な作品の装いが変化します。
同じ価値観を共有するデルヴォーとアーティスト、ハリー・ヌリエフは、融合したコントラストの調和を生み出します。
ヌリエフが、スチールやミラー、ラッカーなど、クールで実用的な素材を使用することで、センシュアルで温かみのあるデルヴォーの素材やデザインを完璧に引き立てます。現実とバーチャルの境界線を曖昧にする急進的なデザインで知られ、そのデザインに歴史的なレイヤーを組み込むことを好むヌリエフの想像力に富んだ表現は、品位を保ちながら、18世紀のセッティングにもデルヴォーの重層的なコレクションにも対応しています。
彼の徹底的に時宜にかなった美意識は、時代を超えて愛されるデルヴォーと完璧にマッチし、デルヴォーのクラフツマンシップの過去、現在、未来が結集する独特でユニークなつながりによって、共に前進することができます。